
【現地レポート】フジロック2025 1日目
待ちに待ったフジロックフェスティバル2025が、7月25日(金)に新潟・苗場スキー場で開幕! 晴れの苗場を彩った初日のステージを、現地からの体験を交えて振り返っていく。
この日、特に注目されていたのは、英国から初来日のFRED AGAIN..。そして、待望の再結成を果たしたSuchmosだと思われる。 しかし、私が注目していたアーティストは、トリプルファイヤー・Mdou Moctar・OK GO・坂本慎太郎であった。
当日の体験を時系列で振り返りつつ、体験できたアーティストをレポートしていく。
とりあえずは最奥地へ
毎年プラミッドガーデンでテント泊をしている私。 今回も朝すぎ10:00頃に灼熱の中で眼を覚ます。 天気予報は晴れ。最近のフジロックは晴れ間が多く、とても過ごしやすい。 準備を終えて、お目当てのトリプルファイヤーへ向けて出発する。
US(GREEN STAGE/11:00〜12:00)
GREEN STAGEで行われているトップバッターは、フィンランドの5人組ロックバンド「US」。 ガレージロックリバイバルを彷彿とさせる新進気鋭のアーティストである。
登場SEに使用していたのは Thee Michelle Gun Elephant の “スモーキン・ビリー” 。 当然のように会場は一気に盛り上がり、サビで皆が歌い出す。 昨年も出演しておりフジロックがかなり推しているバンドと見える。 日本ロックカルチャーへのリスペクトも見え、とても親近感が湧くバンドだ。
最後まで見たかったが、お目当ての最奥地へ向けて移動する。
トリプルファイヤー(FIELD OF HEAVEN/11:30〜12:20)
最奥地FIELD OF HEAVENへ到着。やはりここの雰囲気が個人的には一番好きだ。 当然(と言っては失礼だが)GREEN STAGEに比べれば人はまばらな中、トリプルファイヤー登場。
待望の吉田くんを生で観ることができた。 最新アルバム「EXTRA」を聞いた時から、バンドとしての進化っぷりに驚かされた。 「これはフジロックのFIELD OF HEAVENで見たい!」と願っていたが、思っていた通り空間に完全にフィットしていた。 ファンクやソウルなどを感じるリズム。シュールな歌詞。じわじわとフィールドをトリプルファイヤー色に染めていく。
過去の曲も今の編成になりアレンジが変わったようで、最新型のトリプルファイヤーを堪能できた。 ライブ終盤には翌日出演のあの大御所の代表曲をカバーするなど、この日の特別感も感じることができた。
おとぼけビ〜バ〜(WHITE STAGE/12:10〜13:00)
トリプルファイヤーでウォーミングアップが完了した状態でWHITE STAGEへ向かうと、それはもう激しいパンクサウンドが聞こえてきた。
何かと話題になっているおとぼけビ〜バ〜。 私はJACK WHITEのツアー帯同のニュースから認識し、ライブを見れるのを楽しみにしていた。 演奏はもちろん話題通り実力派。カオスなハードコアなのにどこかキャッチー。パンクが持っている怒りを感じれる素晴らしいステージだった。
夜に向けてライブを見たり
ところ天国の川に入ったり、軽食で一杯やったりと、このライブとライブの間もフジロックの魅力の一つである。
次の注目アーティストまで周辺をぶらぶらする。

Mdou Moctar(WHITE STAGE/15:50〜16:50)
個人的に、この日最注目だったMdou Moctar。
“砂漠のジミヘン”の異名を持つ、ニジェール共和国という聞いたこともなかった国から来た3人組だ。
ジャンルとしては民族的サイケデリックと言ったらいいのか、まさにジミヘン風のギターテクニックとトゥアレグと言われる砂漠民族音楽を融合した、異次元レベルのサウンドを鳴らしていた。
ビート、ギター、衣装、どれもが異国的でフジロックらしいバンド。「フジロックに来たな!」と改めて感じた。
Parlor Greens(FIELD OF HEAVEN/17:10〜18:10)
そしてこちらもフジロックらしいアーティストと言えるだろう。
オルガンとギターが印象的なインストゥルメンタルバンド”Parlor Greens”。
ファンク・ソウル・ジャズなサウンドはFIELD OF HEAVENの雰囲気に完全にマッチ。「これこれ〜!」とテンションも上がる。 特に往年のロックギターソロを次々と演奏するセクションはかなり引き込まれた。
MIYAVI(WHITE STAGE/17:40〜18:40)
私はかつてV系の頃の彼が好きだったので、一眼見ておこうと足を伸ばしたステージ。 だが、その頃の面影はほとんどなかった。
V系〜サムライギタリストの時期を経て、今はエレクトロな打ち込みで華のあるポップソングを披露していた。
菅野咲花と鬼虎魚(GYPSY AVALON/18:40〜19:30)
芝生で寝転んで休憩中。偶然聞こえてきたアーティストだ。 中村佳穂を思わせる自由な歌唱とエレクトロな伴奏。Bjorkや安藤裕子好きなんかにも刺さるかもしれない。
こういった偶然の出会いがあるのもフジロックならではの体験だ。
夜の時間のアクシデント

OK GO(WHITE STAGE/19:40〜20:40)
偶然のいいアーティストとの出会いにほっこりしつつ、お目当てのOK GOのステージへ。
毎度その映像作品のクオリティーの高さが話題になるこのバンド。ライブでは一体どんな感じなのか。 以前ライブハウスでのライブ映像を見たことがあったが、その時は映像作品にも負けないさまざまな仕掛けで楽しそうなステージだった。
今回フジロックでのステージは、VJなど映像演出を排し、シンプルにバンドとして勝負。 (当然だが)やはりバンドの根っこである楽曲・演奏、どちらもクオリティが高い。 映像をたくさん見ていたからか、刷り込みのように知っている曲ばかりで、とても楽しめた。
Ezra Collective(FIELD OF HEAVEN/21:45〜23:15)
ORANGE CAFEで夕食を済ませ、FIELD OF HEAVENへ。
UKジャズのシーンをリードするエズラ・コレクティブ。これぞFIELD OF HEAVENの夜。 濃密なジャズのグルーヴに酔いしれる。
MCの際、翻訳の方が横にいるのが面白く、翻訳された日本語でガンガンに煽ってくる。ダンサブルで盛り上がる演奏にお客さんのボルテージは上がりっぱなしであった。
FRED AGAIN..(GREEN STAGE/予定 21:10〜22:40 → 大幅遅延)
夜のFIELD OF HEAVENを楽しんだ後、ゆっくりGREEN STAGEに向かうと、まだヘッドライナーは始まっていなかった。
機材トラブルにより90分以上の遅延。東京から発電機を搬送する事態にまで発展したそうだ。
「これなら全部見れる!」とも思ったが、後ろ髪をひかれつつ数曲を横目に坂本慎太郎へ移動。
坂本慎太郎(RED MARQUEE/23:30〜0:30)
FRED AGAIN.. の混乱を横目に、静謐で心地よい音を出していた坂本慎太郎。
数年前はFIELD OF HEAVENへの出演だったが、今年はRED MARQUEE。
是非機会があればトリプルファイヤーと並べて聞いてみたいものである。
まとめ

2025年のフジロック初日は、雨も降らず過ごしやすい1日であった。
ステージを見る時間も詰め込みすぎず、比較的ゆっくりできた1日。
FRED AGAIN.. の機材トラブルという予期せぬアクシデントが今後も語り継がれそうだが、そのアクシデントすらも結果的にフェスのドラマとして好印象になったと思われる。
現地でしか味わえない“フジロックらしさ”が随所にあり、2025年も間違いなく最高のスタートだった。
