
【文字起こし】#005 「ヨルゴス・ランティモス監督」について語る|新作『ブゴニア』公開前特集【CULATIVE RADIO 手前のカルチャー】
オープニング
は)はい、乾杯。この番組は、映画、音楽、アニメ、漫画などカルチャーをもっと知りたいけど、どこから触れればいいかわからないというような方へ向けて、カルチャーをもっと身近に感じるための入り口の手前までご案内していく番組です。CULATIVE編集室のはっしーこと橋本拓哉です。
上)カルチャーは手前で止まっている、上水優輝です。
は)よろしくお願いします。
上)お願いします。
最近のカルチャーインプット
は)えーとですね、最近のカルチャーインプットから、いつもやってますけれども、何かございますか。
上)いやー、何にもないですね。無カルチャーです。
は)この間撮ってから、そんなに時間経ってないですもんね。
上)そうですね。あれ、いつだっけ。どれくらいだっけ。ちょうど2週間ぶりぐらいですか。
は)2週間じゃカルチャーは摂取しなかったですか。
サマソニと夏フェスの話
は)僕の方はですね、摂取というか、先日サマソニのラインナップが発表されまして、夏が始まったなっていうところなんですけど。毎年フジロックは必ず行ってて、2015年からですね。途中コロナ挟んだりとか、ちょっと何年かお休みした時はあったんですけど、基本的にはずっと行ってます。サマソニもメンツが良ければ行くぐらいなんですけど、今年なかなかちょっと良くて、個人的にはストロークスとか、ジャミロクワイとか、懐かしいカサビアンとか。
上)懐かしい、わかるぞ。
は)日本からはラルクが出るんですよね。
上)うえー、わかるぞ。40歳ど真ん中みたいな感じで来るんだね。
は)30代後半から40代にビシッと来る感じですよね。ちょっと楽しみだなって。で、その他のアーティストも結構いい感じで、聴いてみたら。
上)サマソニってどこであるんですか。
は)千葉ですね、幕張メッセ。
上)行こうかな。
は)いいと思いますよ。
ブックオフとホラー漫画
は)あとですね、これ完全に雑談なんですけど、近所のブックオフのビッグコミックっていうんですかね、普通の小さいコミックサイズじゃなくて、ちょっと大きめの漫画あるじゃないですか。それの品揃えがすごく良くて。梅津和夫とか伊藤潤二とか、そういうホラー漫画を見つけたら買ってるんですよね。そこでビッグコミック、あんまり他のブックオフでは見ないんですよ。買っても買っても、1ヶ月後とかに行ったら次の新しい伊藤潤二が入ってたりするので、もしかして俺が買ってるから「ここ売れるぞ」って他の店舗から入ってるのかなって。
上)近所にいるんじゃないですか。伊藤潤二を売りまくってる人(笑)。
は)まあ個人的にはありがたいんですけどね。
実はカルチャーを摂取していた話
上)全然関係ないですけど、話を聞きながら思い出しました。カルチャー、摂取してました。
は)お。
上)あの、何でしたっけ。ウォーフェアでしたっけ。
は)前回話したやつですね。
上)はい、観ました。
は)どうでした?
上)あのね、やっぱリアルでしたね。なんか誇張されてない感じ。まあ映画だから誇張はされてるんでしょうけど、その誇張の仕方が映画っぽい誇張じゃなくて。記憶を再構成してるっていう意味では多少脚色はあると思うけど、映画らしい誇張があんまりなくて、本当に現場にいるな、みたいな体験って感じでした。「こういうやつおるよな」っていうのもあるし、嫌な組織の先輩後輩の感じとか、あるじゃないですか。戦場の話なんだけど、自分が同じような場面でできるかって言われたら、たぶんできないなとも思うし、でも会社にもこういうのあるな、みたいな。なんだこの感じ、って。
は)ありますね。その辺結構リアルですよね。
上)リアルでした。あれはおすすめですね。観てて損はないというか。
は)映画館で観てよかったって感じですよね。
上)臨場感は全然違う。ドルビーシネマで観ました。
は)僕もドルビーシネマでしたけど、音がすごいですよね。「これが本当の黒です」ってなるやつ。
上)そうそう。
は)ドーンって、めっちゃ暗くなる(笑)。
上)ちゃんと摂取してましたね。話聞きながら気づきました(笑)。
今回のテーマ:ヨルゴス・ランティモス監督とは
は)今回のテーマがですね、さっきのホラーと映画っていうところで、「ヨルゴス・ランティモス監督とは?」という。
上)なんかその、導入からちゃんと接続しましたよ、みたいな感じで言ってるけどさ、全く何にもわかんない(笑)。
は)ヨルゴス・ランティモスっていう映画監督がいまして、近年の監督の中でも結構最注目人物の一人だと、僕は思ってるんですね。ただ、好き嫌いがすごく分かれる監督で、ポッドキャストでもよく出てくる「笑っていいのかわからない映画」をよく撮る監督なんですよ。
上)なるほど。
は)見終わったあと、すっごい気持ち悪い感覚になる。そんな作品ばっかりなんですけど、この監督の新作がですね、2月13日から公開なんですよ。『ブゴニア』っていう作品です。
上)もうまた、何の意味もわからんタイトルですね。
は)今のところ、僕の中では今年最注目の映画かなと思ってて。
ヨルゴス・ランティモス代表作①『籠の中の乙女』
は)この監督、前作の『哀れなる者たち』でアカデミー賞11部門ノミネート、4部門受賞とかで、評価が一気に高まったんですけど。まずギリシャ時代の代表作で一番重要なのが『籠の中の乙女』ですね。
上)タイトルからして気持ち悪そうな。
は)2009年の作品で、ギリシャの裕福な家庭の話です。子どもが3人いて、その子どもたちを外の穢らわしい世界から守るために、家から一歩も出さないで育ててる。独自のルールで育ててて、言葉の意味も全部ズラして教える。外に出たら死ぬって教えたりとか。
ちょっと電話取ってって言って、塩を渡すんですよ。塩のことを「電話」って教えてる。
上)箱入り娘の強烈版みたいな。
は)で、外から女の人を連れてきて、息子に初体験をさせるんですよ。そうすると、善悪を教えられてないから、女の子を襲うようになってしまう。でも、それが悪いことなのかどうかもわからない。
上)父親の支配ってことですよね。
は)そう。これが世界進出のきっかけになった作品ですね。
『ロブスター』
は)続いてが『ロブスター』。2015年の作品です。
上)あ、これ観た。
は)観ました?
上)Amazon Primeで。
は)独身でいることが許されない世界で、45日以内に配偶者を見つけられなかったら動物に変えられるっていう話ですね。
上)奇妙だよね。
は)後味悪いわけでもないんですけど、なんか変な感じが残る。何のメタファーなのかは、読み解かないとわからない。
上)「もう一回観ようかな……いや観なくていいかな」みたいな(笑)。
『聖なる鹿殺し』
は)次が『聖なる鹿殺し』。2017年です。
上)タイトルがもうヤバい。
は)僕が初めて観たヨルゴス・ランティモス作品がこれなんですよ。お父さんが医者の家庭で、そのお父さんが妙に可愛がってる男の子がいる。その日を境に、子どもたちが歩けなくなったり、奇妙なことが起こる。
その男の子が「家族の中から一人殺さないと全員死ぬ」って言うんですよ。
上)なんなんだ、それ(笑)。
は)復讐なのか呪いなのか、はっきりしない。構図がすごく特徴的で、シンメトリーが多い。
上)ロブスター観たあとだと、「ああ、そういうこと言う監督だよね」って受け止められる(笑)。
『女王陛下のお気に入り』とエマ・ストーン
は)次が『女王陛下のお気に入り』。これは比較的観やすいですね。
上)衣装すごい。
は)中世ヨーロッパを舞台にした権力闘争の話です。この作品からエマ・ストーンが完全にお気に入りになります。
上)タイトル回収(笑)。
『哀れなる者たち』
は)『哀れなる者たち』は、エマ・ストーンが胎児の脳を移植された女性を演じる話です。体は大人、頭脳は子ども。
上)逆コナン(笑)。
は)善悪の判断ができない状態で、世界を旅して、自由とか欲望とかを学んでいく。
上)設定がすごいな。
は)後味は悪くないけど、スッキリするかは人による。
ヨルゴス・ランティモス作品の特徴
は)この監督の特徴としては、人物の感情が読めない、変なルールの世界、ブラックコメディ、構図が異常に美しい。スタンリー・キューブリックっぽさもあります。
上)ロブスターも、狂ったルールが当たり前になってましたもんね。
は)同調圧力とか、正しさの暴力を描いてる。だから今の時代に刺さるんだと思います。
新作『ブゴニア』
は)で、2月13日公開の『ブゴニア』。主演はエマ・ストーン。アリ・アスターがプロデューサーで、『パラサイト 半地下の家族』の制作陣も参加。
気持ち悪い映画アベンジャーズ(笑)。
は)2003年の韓国映画『地球を守れ!』のリメイクで、エマ・ストーン演じる製薬会社のカリスマ経営者が、「地球を侵略する宇宙人だ」と信じる陰謀論者に誘拐される話です。
上)今の時代だから刺さるよね。
は)ロッテントマトでは批評家88%、一般84%。かなり高評価です。
エンディング
は)スタンリー・キューブリック、ラース・フォン・トリアー、アリ・アスターが好きな人は刺さると思います。
上)これは観たい。
は)観たらまた感想やりましょう。
上)お願いします。
は)それではまた。
上)さよなら。







